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改善が止まるの理由は“構造の問題”?心理的なリスク??

「昔からやっている」
「そういうルールだから」
「これが仕事だ」



改善には、“心理的なリスク”が常につきまといます。

例えば、今の作業効率は、長年の慣れによって経験曲線効果が働いている状態ですので、やり方を変えると、一時的に効率が落ちる可能性があります。だから、現場の人が慎重になるのは当然です。

また、“昔から”というその期間が長いほど、昔の膨大な記録やデータが積み上がっていますので、「ここで自分が止めてしまっていいのか」という不安も大きくなります。

そして何より、過去の成功体験があることも問題になります。その理由は、過去の成功体験を手放すことは、これまでの努力を否定するように感じられることもあるからです。

このような心理は、どの企業でも共通して見られると思います。
今回は、なかなか進まない業務改善を進めた事例をご紹介します。



【事例】
従業員200名規模の惣菜工場で起きた「進まない業務改善」。

現場の作業者も「ムダだよな」と感じていましたが、だからと言って、もし止めてしまって問題が起きたらどうしようとの不安から、改善が前に進みませんでした。

それならばと、別案を提案しても、返ってくるのは「でも…」という言葉。


これは、“やる気がない”のではなく、「失敗したときに責任を取るのが怖い」という心理的な壁が原因だと考えられます。


そこで私は、次の2つを行いました。

① まずは小さな成功体験を積んでもらう

自信がないから踏み出せない・・・ならば、自分の判断が「正しかった」と実感できる経験を積むことが大切だろうと考えました。

整理整頓、ちょっとした習慣の見直しなど、必ずしも効果金額や時間に反映できない、そういったコツコツ改善を推奨しました。

例えば、地面に引いた白線を歩くことをイメージしてください。
地面であれば歩けても、急に高くなると恐怖心から歩けなくなります。
でもちょっとずつ高さが上がると怖さが無くなる・・・所謂「ゆでがえる現象」のようなイメージで、小さな改善で成功体験を積んでもらいました。


② 「こちらも責任を共有する」と伝える

そもそも改善活動は信頼関係がなければ進みません。

「どうしようか」と悩んでいる人がいるなら、こちらも覚悟を持って一緒に進める。その背中を押すのも支援者の役割だと思っています。

「大丈夫。こちらも同じ土俵で責任を持つ」と伝えることで、現場の不安は大きく軽減されました。


結果としては、残念ながら工場長の最終承認が得られず、改善は実行されませんでした。



【教訓】
改善が止まるのは、個人の問題ではなく“構造の問題”であるケースもあります。

現場は危機感を持っています。
管理職も「改善しなければ」と思っています。

・・・それでも最後の一歩が踏み出せない。

これは多くの工場で起きる“組織の自然現象”です。


「未来のリスクは不確実。でも今の改善は結果が確定する。そして、確定した結果には責任が伴う」

そこにはこういった人間の不安心理が働いています。

そして、「何もしない」という選択が“最も安全”に見えてしまう。

そのような構造があることが改善活動が進まない要因になっていることもあります。

その点にも配慮した提案が推進力を高めるきっかけになると思います。

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