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権威に頼りがち…肩書きバイアスに潜むリスク

「大手出身者だから安心」
「元有名企業の執行役員だから優秀」
「コンサル会社なら頼りになる」

こうした“肩書きバイアス”は本当に強いです。

しかしながら、一緒に仕事をしてみると、「あれ?意外とこの現場では通用しない…」というケースも少なくありませんでした。

今回は、そういった実例をご紹介します。


【事例】
親会社の紹介で、某大手有名企業の元幹部の方と仕事をすることになりました。知識も豊富で、取引先も一流。話を聞いているだけで「さすが日本を代表する企業は違うな」と感じる場面も多くありました。

しかしながら、実際の子会社の“管理”になると話は別でした。

というのも、小さな会社は、手作業や地道な改善、限られた資金で一歩ずつ前に進むしかありませんが、そこに対して、「なぜDXが進まないのか」「無駄が多すぎる」 と正論を言ったところで、様々な制約があるために”わかっていてもできない”ことは多々あります。

主要因が、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源すべてに関するもの。

・システムに1億円投資できる(手作業に対する指摘)
・省人化設備が揃っている(人が多いことに対する指摘)
・優秀な新卒が毎年入る(人材レベルに対する指摘)
・有名企業出身の中途が集まる(人材レベルに対する指摘)

これは大手有名企業と小さな会社では差がありすぎます。
そして、その大手企業の常識は、小さな会社では通用しません。

例えば、
・手持ち資金1,000万円の会社が1億円投資するリスク
・人がすぐ辞める環境で「厳しく指導しろ」と言われる矛盾
・手作業で経験曲線が積み上がった現場に、突然機械導入を求める無理解

大手出身者は、「変化後の世界」しか知らないからこそ、“変化するまでの苦労”を知らないのではないか?

そんな違和感を覚えました。


冷静に考えてみると、会社に対するイメージは、恐らく入社時点で決まると思います。

始めて入った会社。その会社の職場環境がきちんと整っていたのであれば、それがその人の常識になってしまう。逆にその会社の職場環境がきちんと整っていないのであれば、それがその人の常識となってしまう・・・。

つまり、大手企業の“整った前提”をそのまま小さな会社に当てはめてしまうと、現場を誤った方向へ導く危険があります。


幸か不幸か、私は小さな会社に入社しました。

最新設備が整った大学院で研究してきた学生にとって、設備も乏しく古い建屋で製造する現場は、まさに衝撃そのものでした。

「あの設備さえあれば…」と思う場面もありましたが、無いものは無い。だからこそ、“今ある条件でどう工夫するか” を考え続け、改善を積み重ねてきました。

また、小さな会社だったため、品管/品証の職歴が強いと言っても、製造や事務、営業支援など、多能工化的に泥臭く経験してきました。

だからこそ、私は「いまある資源で何ができるか」「現場が改善に集中できるよう、自分がどんな実務を肩代わりできるか」という視点を大切にし、裏方作業も含めて一緒に取り組むよう心がけてきました。

そして、こうした“裏方作業”を一緒に進めることで、「あいつも本気でやっている。自分たちも頑張ろう」という一体感が生まれ、改善が大きく前に進んだ経験があります。


【教訓】
会社を辞めて、もう2ヶ月が経ちました。

独立して初めて痛感したのは、“数字には見えない会社の価値”が、想像以上に大きかった ということです。

冒頭で触れたように、大手出身者が通用しているように見えるのは、スキルではなく“肩書きによる確証バイアス”のおかげであるケースも少なくありません。

そしてその肩書きは、会社を離れた瞬間に消えます。
特に認知度が低い会社であればあるほど、その影響は大きくなります。

・社名による信用
・取引先との関係
・社内で積み上げた実績


これらは、独立した途端に 一気にゼロ になります。

私自身、まさにその現実を痛いほど思い知らされている最中です。
正直、苦戦が続いています。

だからこそ、あえて問いかけたいのです。

会社の看板が外れたとき、その実績は本当に“市場で通用する力”なのか?一度、立ち止まって考えてみても良いのかもしれません。

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