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短期視点!利益重視が競争力を奪う?

「なんで壊れているのに直してくれないんだ」
「こんなんじゃ、お客さんは納得しない」
「利益よりも安全を優先すべきだ」

まじめに働く現場ほど、こういった声がよく上がります。しかし、経営層が“短期利益”に傾くと、その声は届かなくなります。

今回は、経営層との対立により、私が経営企画部門で干された実例をご紹介します。


【事例】
従業員300名の食品会社。

私は、食品安全×中小企業診断士(配属当時は取得していませんでしたが…)という強みで、「安全と利益のバランスをとる」を心掛け、経営企画室業務に従事していました。

しかしながら経営層は、株主への説明のために単年の利益達成ばかりを最優先し、“短期的な利益づくり”が横行。

例えば、「修繕を先送りする」「B品基準を下げて歩留まりを上げる」「安全管理の二重チェックを削る」「殺菌工程を簡略化する」「教育を止める」「人員を減らし兼任させる」

そういった施策を平気でおこなっていました。

これらをやれば、確かに単年の利益は簡単に出ます。

しかしながら、これらはすべて“未来の負債”です。

本来、修繕や教育、交際・広告、人材育成はすべて投資になりますので、削れば、数年後の企業体力は確実に弱ります。

そして何より深刻なのは従業員のモチベーション。

まじめに働く現場の価値観が否定されるわけですから、モチベーションが崩壊することは避けられません。


このような状況に陥った原因は、”経営層の保身”。

経営層は株主に対し、右肩上がりの結果を示したいがため、計画達成を重視し、修繕や投資を後回しにする傾向がありました。


そこで私は経営企画室として、次の点を強く訴えました。
・利益優先は会社の理念に反する
・修繕、教育、交際などはすべて投資である
・数年赤字でも耐えられる体力がある
・現場が納得しないと統制が崩れる
・意見が出なくなると貢献意欲が消える

つまり、理念(目的)、モチベーション(意欲)、コミュニケーション(理解と納得)。この3つが崩れると、組織は統制不能になることを訴えました。

その結果、私は“煙たがられ”、経営に関する業務から外されました。そして、会社では、「壊れた機械を使い続けるのが常態化」「現場は意見を言わなくなる」「指示されたことだけを淡々とこなすようになる」「人材が育たず、育っていない人を管理者に据える」そういった悪循環に陥り、会社は長期的な競争力を失っていきました。


余談ですが、私が経営企画室に配属した当時は、中小企業診断士の資格は有していませんでした。

そのときは「品管上がりが経営のことはわかるはずない」というような雰囲気でした。

そして、中小企業診断士の資格を有してからは、「理論と実践は違う」という雰囲気に変わりました。

つまり、この会社において、経営とは”自分たちのやり方”そのものであり、そのやり方に反する者は排除するということが、この会社(経営層)の社風だったんだろうと、いま振り返るとそう思います。


【教訓】
“経営”とは、企業を永続的に成長させることです。

しかしながら、現実は、経営層になるほど会社員人生の終盤に差し掛かり、「自分の残り数年の収入最大化」に意識が向きがちになります。

さらに、役員や幹部が退任後も再雇用で残り、“過去の成功体験”を基準に組織を縛るケースも少なくありません。

時代は変わります。

価値観も変わります。

過去の成功が未来の成功を保証する時代ではありません。

だからこそ、後任に任せる勇気や育成に徹する覚悟こそが、経営層に求められる姿勢だと思います。


数年前に「45歳定年制」という発言が炎上したことがあります。

年齢はともかく、この意見の真意は『“自分のため”ではなく“会社のため”に身を引く判断ができるか?』ということだと理解しています。


仮にその理解が正しければ、この発言は健全な組織にとって至極当たり前のことを伝えていると思います。

というのも、45歳以上という中高年は“勝ち逃げできる世代”で、義務を果たさないまま会社に居座ることもできるからです。

だからこそ、会社や若い世代にとって最適なことは何か?

労働者であっても、自ら身を引く美学を持つことが、組織を健全に保つためには必要だと考えます。

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