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Aー27.クロスSWOT分析

  • 2025年9月4日
  • 読了時間: 8分

『クロスSWOT』について解説します


SWOT分析で抽出した内部環境を縦軸、外部環境を横軸の2軸で戦略を検討します。これにより自社(自分)の強みを外部環境の機会にぶつけやすくなり、成功の確率を高めることができます。ここではその方法について解説します。

(問題解決のフロー図)


1.クロスSWOT分析                                   


戦略の方向性を示すために内部環境を縦軸、外部環境を横軸に2✕2マトリクスに整理した表になります。

2つのテーマの組み合わせにより全4つの戦略の方向性が示されます。


積極的戦略展開
自社(自分)の強みを外部の機会にぶつけることです。

チャンスはあっても実力が無ければ意味がありません。

これまで行ってきた環境分析をもとに実力が発揮できる領域へ積極的に攻めていくことで成功の確率を高めます。


差別化戦略展開
自社(自分)の強みで外部の脅威に耐えることです。

新技術や流行の変化によって人気が下火になったとしても需要が100%無くなることはありません。

そのような状況下においてはニッチトップを目指すことで脅威による影響を最小限に食い止めます。


段階的戦略展開
外部の機会にマッチするよう自社(自分)の弱みを克服していくことです。

チャンスが到来していても弱みがネックになって攻められないのであれば、その弱みを克服することでチャンスを掴むことがでてきます。

現実的には弱みを克服するより、強みを伸ばす方が理想的にはなりますが、チャンスは何度も訪れるものではありませんので、場合によっては弱みを克服することも戦略上は必要になります。


撤退・縮小
外部の脅威に自社(自分)の弱みがネックとなり太刀打ちできないことです。

損失を最小限に留める努力は必要になりますが、資源に余裕が無い場合は早々に撤退や縮小を考える必要があります。

(クロスSWOTのイメージ)


2.進め方                                         


まずは、内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威から、どのような戦略が立案できるか考えます。


別の記事で記載した『カフェ』の内部環境の強み・弱みと外部環境の機会・脅威は下記の通りでした。
(1)外部環境の機会
コーヒーブームが到来している
巣ごもり消費で自宅で淹れる高級コーヒー豆が売れている
契約農場で新種のコーヒー豆の開発が進んでいる
(2)外部環境の脅威
コーヒー豆、エネルギーコストの増加
街の小さなカフェの倒産件数が増加している
節約志向でカフェの利用頻度が落ちている 
(3)内部環境の強み
コーヒー協会主宰の大会で10位に入賞した
100年間受け継がれたコーヒーのレシピ(味)
有名になっても帰りたいと思える変わらぬ店舗(空間)
(4)内部環境の弱み
家族で経営しているため、新規雇用しても店舗の雰囲気に慣れない
秘伝のオリジナルレシピの力が強く、それを超える新商品ができない
コーヒー以外の事業が展開できない

これらを縦軸と横軸に整理し、さらに考えられる戦略を記載したものが下記になります。

(『カフェ』のクロスSWOT分析)


今回は9つの戦略を考えてみました。

積極的戦略
新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する
(解説)
コーヒーブームは業界にとってのチャンスです。また傾向として高級コーヒー豆を購入して自宅で淹れることの人気が高まっていますので『高級コーヒー豆』を販売しない手はありません。ではどのような高級コーヒー豆を販売するかということですが、同社の契約農場では新たなコーヒー豆の開発も進んでいますので、このコーヒー豆を100年間受け継がれたレシピに活かすことができれば他店には真似できないオリジナル商品ができることになります。これを自宅用の高級コーヒー豆として販売することがこの戦略になります。
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする

(解説)

コーヒーブームは業界にとってのチャンスです。同社には100年間受け継がれたレシピと有名になっても帰りたいと思える魅力的な空間があります。新たにコーヒーファンになった人のなかには同社の存在(魅力)を知らない人もいるはずです。そのような人に対し同社の魅力を積極的にPRし、新規顧客を獲得しようとすることがこの戦略になります。



差別化戦略
大正ロマンが感じられる空間の強化・PRする
街のカフェは倒産件数が増加しており生存競争が厳しい状況に陥っています。コーヒー豆やエネルギー費用が増加する一方で節約志向によるカフェ離れや大手チェーン店の進出で価格競争が激化し体力勝負になってきています。生き残るためには他店とは違う自社の魅力を伝えることが必要になります。同社には100年間受け継がれたレシピと有名になっても帰りたいと思える魅力的な空間がありますので、その魅力に磨きをかけ、さらにその良さを大々的にPRすることで既存顧客の喪失を防ぎ、あわよくば新規顧客を獲得しようとすることがこの戦略になります。
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
差別化戦略1と同じです

段階的戦略
家族経営から脱却する
コーヒーブームは業界にとってのチャンスです。これから新規顧客を獲得できるかもしれませんが、人手不足になり品質(時間、席数、サービスなど)が低下すると顧客は他店に移りますので多大なる機会損失が発生することになります。同社は家族経営であり新規採用してもすぐに辞めてしまう弱みがあります。従って労働環境を整備することで新規採用者に長期間働いてもらい人手不足を解消することがこの戦略になります。
味以外の利便性に優位性がある新商品を開発する
コーヒーブームは業界にとってのチャンスです。しかしながら秘伝のオリジナルレシピを超える新商品ができず、マンネリ化の危機に陥っています。新商品は味だけではなくパッケージやサイズ容量、期間限定、シリーズ化などのマイナーチェンジによっても消費者の購買意欲は刺激されます。従って味以外の利便性(消費者のこんなものが欲しかった)を追求した新商品を開発することがこの戦略になります。
コーヒーに関する雑貨を販売する
コーヒーブームは業界にとってのチャンスです。しかしながらコーヒー以外の事業が展開できず、マンネリ化の危機に陥っています。コーヒーブームには飲料としてのコーヒーとは別に「コーヒー味の〇〇」や「コーヒーの香りがする〇〇」であっても売れるチャンスがあると言えます。また自宅でコーヒーを淹れるファンはコーヒーを淹れるための器具も揃えているはずですし、家庭でのマンネリ化を防ぐためにも数種類の器具が欲しいと考えている可能性もあります。従って飲料としてのコーヒー以外の商品を新たに開発し販売することがこの戦略になります。

撤退・縮小
現在の店舗への経営資源を集中投下する
街のカフェは倒産件数が増加しており生存競争が厳しい状況に陥っています。コーヒー豆やエネルギー費用が増加する一方で節約志向によるカフェ離れや大手チェーン店の進出で価格競争が激化し体力勝負になってきています。現在は家族以外の従業員は雇用しておらず、また1店舗で経営しています。店舗数が増えるとその分、経費が増えますので、現状の1店舗・家族経営に努めながらも自社の強みが発揮できるよう資源を現店舗につぎ込むことで損失を最小限に抑えることがこの戦略になります。
コーヒー以外のメニューを充実させる
コーヒー豆やエネルギー費用が増加するなか、引き続き同じメニューを展開していても販売価格を上げない以上、利益は目減りしていくことになります。現在はコーヒー以外の事業が展開できていませんので勝算は低いのですが、コーヒー以外に販売できるものはないか、またメニューを充実させることができないかを検討し、利益の目減りを最小限に抑えることがこの戦略になります。


前回の記事で『アンゾフの成長マトリクス』について解説しました。

上記9つの戦略をアンゾフの成長戦略に照合するとおおよそ下記になります。

市場拡大戦略
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
大正ロマンが感じられる空間の強化・PRする
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする
家族経営から脱却する
現在の店舗への経営資源を集中投下する

新商品開発戦略
コーヒー以外のメニューを充実させる
味以外の利便性に優位性がある新商品を開発する

新市場開拓戦略
新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する

多角化戦略
コーヒーに関する雑貨を販売する


3.注意事項                                        


上記はわかりやすく解説するためにクロスSWOT分析から導かれる戦略を立案しました。

クロスSWOT分析においては4つの戦略が考えられますが別の記事で「自社(自分)の強みを外部環境の機会にぶつける」ことが成功の確率を高めると記載しました。

ゆえにここでは積極的戦略をとることを考えます。

積極的戦略は「新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する」「有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする」でした。

さて課題のロジカルツリーでは新商品開発の上位課題が「コーヒーに興味を持ってもらうこと」としましたが、優先課題は「コーヒーをよく知ってもらうこと」でした。

ここでロジックが崩れることになりますので、改めて課題を整理し直し「コーヒーを知り興味を持ってもらうこと」に修正させてもらいます。

以上をまとめると下記になります。

優先的に取り組む課題
コーヒーを知り興味を持ってもらう

課題解決の戦略
新商品『大正ロマン珈琲豆』を開発・販売する
有名人がこよなく愛する味・店舗をPRする

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