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改善活動が進まない・・・2

  • 2025年10月28日
  • 読了時間: 4分

マズローは、『人間の欲求は、「生理的」「安全」「社会」「承認」「自己実現」の5つの段階にわけることができ、下位の「生理的」が満たされると、次に「安全」「社会」と欲求は上位に向かい、最終的に「自己実現」を目指していく』と考えました(マズローの5段階欲求)。


職場巡視していると、この理論は、とてもよくできているなぁと実感します。


マズローの5段階欲求を”仕事”をテーマにイメージしやすいよう下記の通り定義します。

生理的 :勤務条件(労働時間、休み)

安全  :給料、労働環境

社会的 :会社、社内の人間関係

承認  :評価、表彰

自己実現:スキル、品質、効率



法的にはアウトですが、仮に休みが無く、1日何時間も働かなければならない職場の場合、”とにかく休みたい” ”労働時間を短くしてほしい”といった「生理的」な欲求の優先順位が高まりますので、その欲求が満たされるまでは給料や労働環境と言った「安全」に関する欲求は表面化してきません。勤務条件が改善されて、初めて給料や労働環境に対する不満がでてくることになります。

同じように、会社や社内の人間関係である「社会的」な欲求、評価や表彰と言った「社会的」の上位にある「承認」に関する欲求も、下位の欲求である給料や労働環境と言った「安全」に関する欲求が改善されるまでは表面化してきません。

各段階を経て、改善が進んでいくと、最終的にスキルアップや品質向上、効率改善と言った「自己実現」に向かうことになります。


つまり、「下位の欲求を満たしておかなければ、最上位の欲求には決して至らない」ということになります。


トップが”改善活動するぞ!”と声高に宣言し、従業員が覚めた目で見ているケースがよくあります。

これ、なぜかと言うと、従業員にとっては、そんなことよりも給料を上げてほしい、あるいは人間関係を良くしてほしい、そう思っているからです。それらは「生理的」「社会的」な欲求になりますので、「自己実現」に向かうだけの段階に至っていないからです。


スキルアップや品質向上、効率改善はトップや一部の幹部で行えるものではありません。従業員のモチベーションがあって初めて成立します。従って、「自己実現」に関する欲求を実現させようと思えば、その礎となる各段階の欲求を固めておくことが極めて重要になります。


従業員の欲求は、現在、どの段階にあるのか?


この点もしっかり押さえたうえで、次の段階に進んでください。




ちなみに余談ですが、人生もこの理論で説明できると個人的には考えています。

例えば、20~30代。どんな仕事でも良いので、とにかく生活するために職を得ることを最優先課題に就職活動します(生理的欲求)。そして、就職して仕事に慣れてくると、給料が安い、ブラックだと不満が出てくるようになります(安全欲求)。それでも正社員であることや、経営的に安定している企業であれば我慢して働き続けます(社会的欲求)。時が経ち、30~40代になると、長年過ごしてきた会社の風土に慣れ、さらに勤続年数とともに役が付き、給料も上がるようになります(承認欲求)。社内での立場が安定し、日常がマンネリ化してくる40~50代になると、”人生の折り返し地点、このままでよいのか?”と疑問が出てくるようになります・・・いわゆるミッドライフクライシスです。そして、この年代では、自分がほんとうにやりたかったことにチャレンジする人もでてきます(自己実現欲求)。

まさにマズローの5段階欲求に従って、人生を送っていると感じます。



・・・最後に、弁解しておきますが、今回、ご紹介したマズローの5段階欲求や定義した仕事の分類は、必ずしも正しいわけではありません。


あくまでも、私の経験則であり、各職場巡視した結果として「その通りだ!」とマズロー信奉しているだけです。


実際には、マズローの5段階欲求とは別のモチベーション理論も数多く存在しており、例えば、アルダファーのERG理論では、マズローの5段階欲求を「存在」「人間関係」「成長」の3段階に分類し、それぞれの欲求は、不可逆的ではなく同時進行で進むと主張しています。

ハーズバーグの二要因理論では、「衛生要因」と「動機付け要因」があり、モチベーション(マズローの5段階欲求の最上位「自己実現」)を高めるためには、「衛生要因」を充実させても不満足の解消にしかならないため、「動機付け要因」を充実させることが必要だと主張しています。


人のモチベーションは様々です。モチベーションに関する理論もたくさんあります。改善活動を本当に進めようと思えば、それらを参考に自社(自分)がどの段階にいるのか?一度、立ち止まって考えることをお薦めします。

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