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Eー8.長期記憶に残すようにすること

  • 2025年4月23日
  • 読了時間: 6分

長期記憶へのインプット』について解説します


記憶は情報を覚え込み(銘記)、その覚えた情報を忘れないように保持し、さらに保持した記憶を必要に応じで思い出す(想起)ことで完成します。ヒトは忘れる生き物です。如何にして銘記し、保持し、想起するか?ここではそのヒントについてご紹介します。



1.銘記                                          


1.共感できるストーリーで話す

「あるある」エピソードに近づけて共感できるストーリーで話すようにします。
【注意事項】
”覚えよう”とする気持ちが無ければ、周知したところで聞いた内容は右から左へと流れてしまいます。

特に”自分たちには関係が無い”と感じる内容になるほど、その傾向は強まりますので、如何にして当事者意識を持ってもらうか?がポイントになります。

当事者意識を持ってもらうためには、一般的に「あるある」エピソードで話すと親近感を覚えます。

それは同じ経験を共有化できているからであり、例えば、事故・トラブルが発生した裏に「忙しかった」「人がいなかった」「大丈夫だと思っていた」などの理由があった場合、同じような状況を経験した人は「その気持ち、よくわかる」と納得しますが、経験が無い人は「それって言い訳でしょ」と一蹴されてしまいます。

そのあたりを見定めたうえで「あるある」ストーリーをつくることが必要です。


2.視覚、聴覚、言語で訴える

新たに制定されるルールは、明文化されていますのですでに言語情報は整っています。

また管理者から周知されたのであれば聴覚情報もあると言えます。

従って、視覚情報を如何にして活用し、効果的に訴えることができるか?それを考えます。
【注意事項】
情報は、視覚や聴覚を通じて脳にインプットされます。

覚えやすさは人によって異なり、文字だけで覚えられる人もいれば、言語で伝えられても覚えられない人もいます。

最終手段は視覚で覚えてもらうことになります。

視覚で覚えてもらう方法としては、明文化した言語情報を要約した『概要』として図表を交え明示するケース、「黄色枠に黒字」「赤枠に白字」といった警戒色を活用するステッカー、ポスターと言う形で明示するケースが一般的ですが、最近は自社で実際の風景や作業内容を動画撮影し、それを説明会で放映したり、従業員通路や作業入口に設置したモニターで流すケースもあります。


3.覚えやすい内容にする

どのような条件であっても、原則として1つのルールですべてをカバーすることが望まれます。

しかしながら、加工方法や使用頻度が異なる品目、機械が多数ある場合、必ずしも1つのルールでは規程できないケースもでてきます。

その際は、”主ルール”と”(例外の)副ルール”にわけ、さらに”副ルール”の数も増やさないよう材料や器具、方法などの共有化を図っていきます。
【注意事項】
例えば『洗浄』に関するルールを決めてみます。


現在、「塩素系洗剤」「中性洗剤」「酸性洗剤」「熱湯」の4種類の洗浄方法で、「ガラス器具」「アルミ器具」「木製器具」「配管」「床」「設備」「機械」「テーブル」の8か所の洗浄を行っていると仮定します。

「塩素系洗剤」は「床」「設備」「機械」「テーブル」の洗浄に、「中性洗剤」は「アルミ器具」「木製器具」に、「酸性洗剤」は「配管」、「熱湯」は「ガラス器具」に使用しています・・・

たぶん、覚えられないでしょう。


そこでまず考えることは”主ルール”です。

最も多く利用されている「塩素系洗剤」が”主ルール”になります。


残り3種類の洗剤は例外の”副ルール”になりますが、数が多いので集約していきます。

「酸性洗剤」は、誤って塩素系洗剤に混在してしまうと危険ですので、これを止め、今後は「配管」を「熱湯」で洗浄するようにします。

また現在、”器具”のうち「ガラス器具」のみを「熱湯」で洗浄していますので「中性洗剤」での洗浄に変更します。


このように考えると『原則、洗浄はアルカリ洗剤でおこなう。ただし「器具」は中性洗剤、「配管」は熱湯で洗浄する』とすれば、覚えやすくなったのではないかと思います。



以下に改めてポイントを記載します。

『ルールを”主ルール”と”(例外の)副ルール”に分ける』

『”副ルール”はあくまでも例外規定なので2つ以内にする』

『原則は”主ルール”。”副ルール”は例外規定なので、ルールや適用箇所が多くなる時は、いずれかに統一する(材料、器具、方法の共通化)』



2.保持                                          


1.注意をひく

警戒色を活用した目立つポスターを掲示したり、定例会のときに読み合わせやスローガンの唱和指差呼称など声と動作で自分に言い聞かせることを習慣化させます。
【注意事項】
無意識下であっても耳や目には様々な情報が入っています。

目立つ看板や繰り返し放映されるCMは無意識的に消費者に覚えてもらうことを狙ったものであり、同様の手法は工場管理にも活用できます(ザイオンス効果)。

明記の段階で「”覚えよう”とする気持ちがなければ周知したところで聞いた内容は右から左へと流れてしまう」と解説しましたが、これは1回限りの周知によるものです。

無意識下であっても作業者が情報に接触する機会が増えると知らず知らずのうちに内容が脳にインプットされるケースも多々あります。


2.質問する

「質問して回答させる」「知らない人にレクチャーさせる」など、自分の頭のなかを整理して人に伝えること、その習慣づけ・訓練の場を提供するようにします。
【注意事項】
定例会や掲示ポスターなどで情報提供しても、それはインプット情報として頭のなかにとどまった状態に過ぎません。

またスローガン唱和や指差呼称で発声させても、それは意味を解さず反射的な反応(慣れ)になっている可能性もあり得ます。

ほんとうに理解しているのであれば、それを他人に教えることができるはずです。

意識下でアウトプットできる方法としては「質問して回答させること」「知らない人にレクチャーさせること」が考えられます。

前者に関しては、日々のチェック時や工場巡視時に質問してみると良いです。

後者に関しては、新人教育を行わせると良いです。

人に教えるためには自分がしっかり理解することが求められますので、担当になった作業者は、いっそう覚えようとする気持ちが高まることが期待できます。


3.想起                                          


1.気づきの機会を与える

改めて制定に至った経緯までを思い出す機会を提供し、風化させないようにします。
【注意事項】
ルールが習慣化されるとそのルールが当然のこととして振舞われるようになりますが、そもそもルール制定に至った経緯については語られることが少ないため「なぜこのルールを運用しているのか?」、時間が経つにつれ、そのことを知らない作業者が増えていきます。

気づきの機会を与える方法としては、「定期的に振り返ること」「類似条件が訪れた際に指導すること」があります。

前者は、事故・トラブルが発生した1年後を記念日として再確認する場とすること、後者は、例えば雪道で事故が発生したのであれば、冬が始まる前、久しぶりの製造(シーズン製造)での事故であれば、その製品が製造される前に再確認します。


2.メモをとる

先の予定は忘れやすいので、管理者自身がそのイベントを忘れないようにします。
【注意事項】
「1回/年の頻度で実施している業務」でさえ忘れてしまうことがあります。

作業者に気づきの機会を提供しようと計画しても、実施するタイミングを忘れてしまっては意味がありません。

原始的な方法としては年間スケジュールを策定し、そのスケジュール表を目に見える場所に置いておきます。

近年は、とても便利な世の中になりました。

パソコンのアラーム機能を活用し、通知が届くようにしておけば、イベントが近づくと自動的にお知らせしてくれます。

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