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Fー10. 品質改善フロー

  • 2025年3月25日
  • 読了時間: 8分

更新日:2025年11月14日


『品質改善フロー』について解説します


品質改善は、「数値情報」に基づき、「言語情報」で推論を立て、再度、「数値情報」でその推論を立証する流れに持っていくこと、これが品質管理・保証の基本になります。ここでは、品質向上に向けて必要な内容について解説します。



1.品質改善フロー                                     


品質に関する課題は様々ありますが、取り組むべきテーマは、”お客様の声”に基づくものでなければ意味はありません。

お客様の声としては、おおきく”苦情”、”問い合わせ”、”要望”、”感謝”があります。

苦情”は、怒りや不満と言ったお客様のネガティブな声になりますので、当たり前品質と言え、最優先に取り組むべき課題になります。

問い合わせ”は、疑問や確認(誤認)など、”知りたい”という興味に関するお客様のニュートラルな声になりますので、利便性を高めることで満足度が上がれば、魅力的品質(一元的品質)になり得ますが、お客様がそこまでの機能・特性を求めていなければ、無関心品質になる可能性もあります。

要望”は、不安や懸念、期待と言った感想(想い)に関するお客様のニュートラルな声になりますが、お客様の期待がある分、利便性を高めることで満足度が上がる魅力的品質(一元的品質)と言えます。

感謝”は、喜び、満足と言ったお客様のポジティブな声になりますので、高い期待に応え続けなければならないことから当たり前品質と言え、”苦情”と同じく最優先に取り組むべき課題になります。


つまり、お客様の声を集め、社内で検討することが、品質向上を高めるためには必須になります。



ステップ1 情報管理の一元化

まずは、「情報連絡経路」と「報告内容」を明確にします。


【情報連絡経路】
発信者である得意先担当者、一般顧客、知人、従業員などが、手段として口頭や電話、メール、書面などを活用し、受信者である当社の担当者や知人である従業員、代表窓口などに情報を伝えることで成立します。

それら情報を一部署の受付担当者(社内対応窓口)に集約できるように経路を決めておきます。


(連絡経路)


情報量が増えると、一部署の受付担当者(社内対応窓口)が処理する手間も増えていきますし、場合によっては専用の社内連絡書を作成し、情報の受理者が上長の許可を得てから情報連絡するケースもありますが、この方法では、承認を得る手間のほか、受理者が専用書式に情報を記載する手間、さらには受付担当者(社内対応窓口)が、お客様の声一覧表に転記する手間も発生します(三重の手間)。

従って、クラウド上に共通ファイルを格納し、そこへ情報受理者が適宜入力できるようにすると、手間を省くことができるようになります。


【報告内容】
商品のみならずサービスに関する情報も入手するようにします。

時に、情報の受理者が「交換で済んだ」あるいは「お客さんのわがまま」と判断し、敢えて報告しないケースがあります。

社内においても「従業員間の単なる立ち話、愚痴」として見過ごすケースもありますが、実はほかの人も同じように感じていたということはよくありますので、どのような状況であっても、商品・サービスに対する意見を聞いたならば、報告することを習慣化させます。


・・・とは言え、あれもこれもと報告していてはキリがないですし、どのような内容が報告に値するのか?これを線引きすることは難しい問題になります。


そもそも品質とは「消費者が支払ってもよいと考える金額以上の価値が感じられる商品やサービスを提供するための機能や特性」になりますし、品質に関する課題はお客様の声に基づくものになりますので、迷ったときには、これを基準に判断することをお奨めします。


報告内容は、お客様の声一覧表に集約していきます。

お客様の声一覧表は、”苦情”、”問い合わせ”、”要望”、”感謝”を分類基準に、5W1H(いつ、どこで、誰が、なぜ、どのように)で作成していきます。

(お客様の声一覧表)


お客様と会話をしていくと、あれこれと分類基準が変わることが多々あります。

例えば、「人からもらっておいしかった。いくらぐらいするものか?また自分でも買いたいので販売店が知りたい」というお客様の声には、”感謝”と”疑問”、”要望”が入っています。

可能であれば、お客様の声をできるだけ分解して、一覧表に記載することをお奨めしますが、全ての情報を記入していては、情報量が莫大になりますので、そのような時には、お客様の声のなかで優先順位が高いものを数点に集約し、記載していくことでも問題はありません。

(お客様の声一覧表~複数の場合~)



ステップ2 傾向分析

集計した情報は月報に纏めます。


月報の纏め方としては、「総件数」「内訳別グラフ」「内訳別ランキング」「重要度別ランキング」で分けることをお奨めします。


「総件数」
前年や前月との差が把握できる書式にします。

一般的には、具体的な数値で示された””と、一目で状況が把握しやすい”グラフ”に纏めていきます。

(お客様の声集計~表~)

(お客様の声集計~グラフ~)


しかしながら、上記の表とグラフだけでは、当年の件数が増えているのか、あるいは減っているか一目で把握することができません。

これを一目で把握できるように示したものが”移動累計グラフ”になります。

移動累計グラフは、常に数値を年間件数で表し、月が替わるごとに新たな月の数字に置き換えていくグラフになりますので、最新の年間件数がどのように推移しているかが一目でわかります(下のグラフで、”3月”は、前年4月~当年3月の年間件数(=前年実績)になります。”4月”は、前年5月~当年4月の年間件数、”5月”は、前年6月~当年5月の年間件数と言った具合に、前年同月の数字が最新同月の数字に置き換えていきます)。

(移動累計のグラフ)


例えば、”お客様の声前年比95%”という目標を立てた場合、目標を達成させるためには黄色線に近い推移になるはずですが、実際は、そうなっていません(=目標達成できていない)。

特に8月以降、増加傾向が見受けられ、目標と実績のギャップに開きが生じています。

本来は、この段階で何らかの手を打たなければならなかったのですが、そこで手が打てなかったために目標達成できなかったと推察されます。

従って、総件数の表やグラフとは別に移動累計のグラフも作成し、手を打つべきタイミングを逃さないようにします。


「内訳別グラフ」
総件数は、あくまでも”お客様の声”を纏めたものになりますので、総件数とは別に、お客様の声が、”苦情なのか?” ”問い合わせなのか?” ”要望なのか?” ”感謝なのか?”、分類ごとに同じようなグラフ(移動累計グラフ)を作成することをお薦めします(ここでは割愛します。)。


また、どの分類がお客様の声として多いのか?その声が全体に占める割合は?などを見える化すると、対策の方向性が決めやすくなります。

例えば、割合として、苦情の声が増えている、あるいは感謝の声が減っているのであれば、当たり前品質に影響がでている可能性が考えられますし、それらの割合が減る一方で要望の声や問い合わせが増えているならば、顧客満足度を高めるために、それら分類への対応強化が必要なタイミングに来ていることを知ることができます。

(内訳別割合)


「内訳別ランキング」
「内訳」で線引きした各項目で件数が多いお客様の声をランキングします。

場合によっては、件数がバラツク、あるいは集中するケースがありますので、ランキングする際は”上位〇位までの項目”ではなく、”各内訳の全件数80%を占める上位の項目”と定義し、リストアップします。

(内訳別ランキング)


「重要度別ランキング」
各項目について、顧客満足度をA~Cランクに分類します。

例えば、苦情の場合、『Aランク=法令違反や健康被害など発生した時点で回収案件になるもの、Bランク=Aランク予備軍(状況により回収案件になるもの)、Cランク=それ以外』という分け方が考えられます。


(重要度ランキング)



ステップ3 課題の抽出

月報を関係部署に提出し、後日報告会を開催します。


周知という意味では、関係部署へ月報を提出することで終了しますが、大半の人は月報を読みません。

月報を読まないからこそ、何が課題になっているかは知る余地もありません。

従って、報告会を開催することによって、トップからの指示を受けるようにします。


報告会を開催する際、内容のみを報告して終了する「インプットの場」になっているケースをよく目にしますが、「アウトプットの場」になるよう常に心掛けていきます。

アウトプットを増やすためには報告の仕方についても考える必要があります。

例えば、「内訳別ランキング」✕「重要度ランキング」という事実の数値データで示すことによって、自社が優先すべき課題を決定させやすくしますので、お薦めします。



ステップ4 原因の追及

報告会でトップからアウトプットされたテーマについて原因を追究します。


原因の追究には、QC7つ道具(新QC7つ道具)を活用します。

データ収集からスタートすると、時間が掛かりますので、まずは、仮説を立てるところからスタートさせます。

そこで活用できるツールがロジカルシンキング(「親和図法」「連関図法」「系統図法」)になります。


例えば、「味がおかしい」について考えてみます。

味がおかしくなった原因としては、「原材料の変更」「配合ミス」「洗剤の混入」「保管温度異常」などが考えられます。

商品自体に問題がなくても、お客様の「体調不良」「食べ合わせが悪かった」なども考えられます。

このように、まずは「味がおかしい」という状況が発生する可能性として、どの段階で、どのようなことが考えられるのか?それをアイデアベースで考えられるだけ列挙し、次に列挙したアイデアベースをグルーピングし、前後の関係を整理していきます。

(ロジカルシンキング)


これにより、「味がおかしい」と言う現象が発生する全体像が明確になりますので、仮説が立てやすくなります。

このなかから、どの可能性が高いと考えられるか?そしてその検証として何を実施し、どのようなデータを収集していくのか?など仮説の検証方法を検討していきます。

そのうえで、仮説の検証により、原因の蓋然性が高いものについては、対策を検討していきます。



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