Fー9. 品質改善の基本的な考え方
- 2025年3月26日
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更新日:2025年11月16日

『品質改善の基本的な考え方』について解説します
品質の向上は、商品・サービスの提供に携わる全部門が参画し、部門毎に求められる”品質”を高めることでしか実現させることはできません。しかしながら、「品質は、品質管理・保証部門が創り上げるものだ」と言われることがよくあります。品質管理・保証部門は、全社の纏め役、コントローラーとして現状を把握し、情報をフィードバックする、そしてそのフィードバック情報をもとに気づきを与える、あるいは教育することしかできません(『巡視』『情報提供』『教育機会の提供』)。それでも、そのような纏め役が存在しなければ、全社の統制が取れなくなりますので、品質管理・保証部門は欠かせません。ここでは、品質向上に向けて必要な内容について解説します。
1.品質(狩野モデル)
品質の向上は、商品・サービスの提供に携わる全部門が参画し、部門毎に求められる”品質”を高めることでしか実現させることはできません。
品質に関する定義は様々ありますが、最終的には消費者が支払ってもよいと考える金額以上の価値が感じられる商品やサービスを提供するための機能や特性と言えます。
その機能や特性をわかりやすく整理したものに”狩野モデル”があります。
狩野モデルでは、品質を”当たり前品質” ”一元的品質” ”魅力的品質” ”無関心品質” ”逆品質”の5つに分類し、それら品質が充足されると、顧客の満足度がどのように変化するか整理したものになります。
当たり前品質
基本的な機能・特性。顧客が期待するもので、不足すると不満足に繋がるものの、充足させても満足度は上がらない品質。
一元的品質
独自の機能・特性。別商品・サービスとの差別化が可能で、顧客の満足度に直接影響する品質。
魅力的品質
独自の機能・特性。一元的品質同様に顧客の満足度に直接影響するものの、顧客が期待していない分、充足させると非常に満足度が上がる品質。
無関心品質
どちらでもよい機能・特性。不足しても不満足にならず、また充足しても満足度は上がらない品質。
逆品質
あると迷惑になる機能・特性。不足していると満足度が上がり、充足すると不満足度が上がる品質。

(狩野モデル)
『魅力的品質』と『一元的品質』は、差別化を図り、付加価値に繋がる品質になりますので、機能・特性を充足させると顧客の満足度を高めることができるようになります。
問題は、『当たり前品質』です。
例えば、一般的に”クレーム削減”が品質目標に掲げられるケースがあります。
商品・サービスを提供する側として、”クレームゼロ”は、とても難しい課題になりますので、目標に掲げることは理解できますが、商品・サービスを受ける側が”クレームゼロは当然”と考えていれば、この点を、いくら改善させても顧客の満足度は高まりません。
それじゃあ、”クレームゼロ”に向けた取り組みをしなくても良いかと言えば、そうとも言えず、クレームによって顧客の不満足が高まる危険性があります。
クレーム以外にも、他社が次々に導入した機能・特性は、時間とともに世の中のスタンダード、”当たり前品質”になっていきますので、それに追従していかなければ、顧客の不満足が高まる結果となります。
一生懸命取り組んでも、顧客の満足度は高まらず、一方で、疎かにすると、顧客の不満足が高まってしまう・・・ジレンマはありますが、社会環境の変化に適応していくためには最優先で取り組むことが必要になります。
2.QC7つ道具、新QC7つ道具
品質管理の手法として、「QC7つ道具」「新QC7つ道具」があります。
いずれも、現状(問題点や課題)の見える化を目的に活用される共通点がある一方、QC7つ道具は、主に製造現場で活用され、数値情報(定量データ)を取り扱い、また新QC7つ道具は、様々な部門で活用される言語情報(定性データ)を取り扱うという点が異なっています。
QC7つ道具は、数値情報になりますので、記録を付けることが必要になります。
経験則で恐縮ですが、あれこれと記録を付けることは簡単ではありませんので、大半の会社では、この7つのツール全てが活用されることは稀で、実際に活用されているものは、「グラフ」「チェックシート」くらいではないかと思います。
また、新QC7つ道具は、QC7つ道具のような記録を付ける手間はないのですが、こちらも7つのツール全てが活用されることは稀で、実際に活用されているものは、ロジカルシンキング(「親和図法」「連関図法」「系統図法」)ではないかと思います。
両者の違いは「数値情報」「言語情報」にあると記載しました。
数値は説得力が高いデータになりますが、数値だけでは判断しきれないケースも多々ありますので、数値情報に基づき、言語情報で推論を立て、再度、数値情報でその推論を立証するという流れに持っていくこと、これが品質管理・保証の基本になります。
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